『K -THE FIRST-』連載開始記念!古橋秀之インタビュー

皆さまお久しぶりです!2013年ものこりわずかとなりました。

 

本日は前回の記事でも告知しましたが、月刊Gファンタジー1月号より連載開始となった『K –THE FIRST-』にてストーリー原作をつとめる古橋秀之さんのインタビュー記事になります。

 

それでは早速インタビューをご覧ください!

 


――お忙しいところありがとうございます。本日は、12月18日発売の月刊Gファンタジー1月号より連載開始となった『K -THE FIRST-』について、ストーリー構成を担当されるGoRAブルーこと古橋秀之さんにお話を伺いたいと思います。よろしくお願いします。

古橋 よろしくお願いします。

 

――まずはじめに本編のコミカライズが決まった経緯をお教え下さい。

古橋 確かもともとGファンタジーさんの方から「K」の漫画連載というオーダーがあって、最初は『学園K』のみでお話が進んでいました。その企画の話の中で他にもう1本やらないかという話になり、それならいずれやりたいと考えていた本編のコミカライズを、ということで企画が動くことになりました。

 

――本編のコミカライズとスピンオフの二本立てというのは、読者の方々にとっては二度美味しくいただける感じで、とても楽しみだと思います。

古橋 『学園K』を担当する鈴さんも「TVシリーズを知らない人も、本編のコミカライズが掲載されていることで『学園K』にとっつきやすくなるので是非やってほしい」と言っていましたね。

 

――そうしてコミカライズが決定し、古橋さんが担当されることになったのはどういう理由からだったのでしょうか?

古橋 リーダーの宮沢さんの采配だったと思います。TVシリーズの放映後、続編に向けてストーリー上の課題や伏線などを洗い出して整理したり、そういう作業を僕が積極的にしていたから、というのもあるのかも知れません。

 

――コミカライズのチャンスがあったらやってみたいと以前仰っていた記憶があるのですが、その希望と宮沢さんの考えが上手く合致したということですね。

古橋 そうですね。TVシリーズの脚本はみんなで色んな要素を伸ばして、広げながら作っていったのですが、今度はそれを、ひと区切りついた状態から自分なりに整理してみたいと考えています。整理するの、好きなので(笑)。

 

――今回、漫画の作画を『迷子屋』を連載されていた木村りんさんが担当されるとのことですが、木村さんの絵を初めて見た時の印象をお聞かせください。

古橋 木村さんのお名前を聞いてすぐに『迷子屋』を読ませていただいたのですが、木村さんの絵の可愛らしくふわっとした雰囲気がシロの纏う雰囲気にピッタリだなと思いました。この雰囲気の絵で普通の少年としてのシロを描いていただいたら、彼を中心とした物語が上手く成立しそうだなと。

 

――実際に木村さんが描かれた各キャラクターのサンプルイラストを見ると、確かにシロの雰囲気にピッタリですね。

古橋 そうなんです。また他のキャラクターにも目を向けると、周防や宗像などシロとはまた雰囲気の違うキャラクターも凄く格好良く描かれていますし、ネコなどの女の子も可愛らしくて素晴らしいと思います。

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――コミカライズをやる上で気をつけようと思っていることや、やってみたいことはありますか?

古橋 ファンの方に喜んでもらえるものというのは大前提ですが、その上で初めて「K」という作品に触れる人たちがすんなり作品に入り込んで楽しめるような作りを心がけたいと思っています。

 

――アニメとは別の入口を用意しよう、ということですね。

古橋 はい、そういうことです。やはりアニメは1シリーズ見終えるために時間がかかりますし、いざ鑑賞しようと思ってもレンタルして来ないといけないなんてこともあるので、そこで壁を感じてしまう人もいると思うんです。そういう方に漫画という別の入口を用意できるといいなと。

 

――なるほど。では具体的にはどのような描き方をしていくのでしょうか?

古橋 「K」は沢山のキャラクターが登場する群像劇的な作品になっているのですが、その根底にはシロというキャラクターの物語があります。アニメではその部分の印象が薄くなってしまったかなと反省も込めて感じていて、コミカライズではそこにしっかりとフォーカスしていきたいと思っています。そうすることによってお話もすっきりすると思いますし、そうやって軸をしっかりさせることで、他のキャラクターもより映えさせることができると思います。

 

――それでは次は実際の制作方法についてお聞きしたいと思います。漫画の原作となるとプロットやシナリオを提出するなど様々なスタイルがあると思うのですが、古橋さんはどのようなスタイルをとっているのでしょうか?

古橋 僕のやり方は、まずはアニメのシナリオやアニメを見ながらシーンや台詞をテキストに抜き出します。それをいじって再構成し、それらをPhotoshopで作った漫画のコマ割りの中に書き込んでいきます。そしてそこに簡単な絵を入れて提出しています。

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――編集者さんも驚かれていましたが、古橋さんは絵がお上手ですよね。

古橋 昔絵描きを目指していて挫折したことがあるので(笑)。

 

――どちらかというとネーム原作のような印象ですが、それとは違うのでしょうか?

古橋 ネーム原作に非常に近いものだと思います。ただ完全にそうとは言えなくて、ところによっては「ここから1ページまるまる学園生活のシーン」とか、割りと大雑把に伝えている部分もあります。学園生活のシーンは本当に良く出来ていて、木村さんに感謝しています。細かく伝えている部分も、それはあくまで提案という形で、基本的には木村さんの解釈や描き方を優先していただいています。木村さんの解釈が乗っかることで、作品がより良いものになっていると思います。

KF_sample_02※画像クリックで拡大

 

――お二人の力が積み重なることで、作品がより高みに達するのですね。

古橋 はい、そういうことです。

 

――古橋さんはこれまでにも漫画原作をやられたことが何度かありますが、漫画原作とアニメ脚本の違いを感じたことはありますか?

古橋 まだ漫画の方もアニメの方も勉強中で自分のスタイルが確立しているわけではないんですけど、これまでの経験から漫画の方が尺がタイトだなという印象があります。アニメも小説に比べたらタイトなのですが、漫画はそれ以上にタイトだと感じます。吹き出しに入る文字にも限度がありますし。

 

――となると、入れたいとは思っていても泣く泣くカットしてしまうシーンとかもあるのでしょうか?

古橋 そうですね。ストーリーにとって絶対に必要なものから配置していって、入りきらない部分は僕の責任で省略しています。言うなればパーティ料理を弁当箱に詰めるような作業で、もちろん人気のおかずはなるべく押さえていきたいですが、その前提として、ごはんや他のおかずを含めた全体のバランスを考えて、きちんと1食分、コンパクトにまとめることが重要だと考えています。

 

――なるほど。制作上の貴重なお話ありがとうございます。それでは最後になりますが、連載を楽しみにしていているファンの方へメッセージをよろしくお願いします。

古橋 今回のコンセプトは「わかりやすく」ということで、アニメからのファンの皆さんにはTVシリーズの整理ができ、新たな発見があるものとなっています。また初めて「K」という作品に触れた方にも楽しんでもらえるようなものを作っていますので、今後も楽しみにしていただけると嬉しいです。劇場版が夏に公開ということで、劇場版へ向けた助走という意味でも頑張っていけたらと思います。

 

――本日はどうもありがとうございました。

古橋 ありがとうございました。


 

いかがだったでしょうか?コミカライズの制作スタイルなど、貴重なお話を伺うことが出来たと思います。

今後も古橋さん、木村さんのタッグでお送りする『K –THE FIRST』をよろしく願いいたします!

 

さて、GoRA Blogは今回の更新が2013年最後の更新となります。

2014年も引き続き様々なコンテンツをお送りすることが出来るよう努めて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします!

それでは皆さま良いお年を!